放射線管理・防護・計測研究班

放射線管理・防護・計測研究班の紹介

当研究班は11名の班員で構成され、放射線に関連することなら何にでも興味がある不思議な研究班です。活動範囲は非常に広く、各種モダリティの画像から放射線防護、撮影技術、放射線計測、関係法令などの最新情報を収集して研究を行いながら、セミナーやフォーラムの開催に繋げています。

 
>国家基準を管理する産業技術総合研究所へのバス見学ツアーでの班員と参加者

現在、特に注目している分野としては、2011年3月の福島第一原子力発電所の事故によって惹起された「低線量放射線被ばくへの対応」が上げられます。国民に対するエビデンスに則ったインフォームドコンセントは放射線技術者の責務であり、正しい情報を発信するためには常に最新のデータを得ておかなければなりません。低線量被ばくの対応手法について、様々な形で追求していきたいと考えています。

また、2015年6月、CT、一般撮影、マンモグラフィ、口内法X線撮影、IVR、核医学の6分野に「診断参考レベル(DRLs2015)」が策定されました。当研究班ではいち早くフォーラムで詳細に解説したため、少しずつその内容も周知されています。しかし、特に一般撮影領域では未だに被ばく線量と画質の関係が明確になっていないため、診断参考レベルが策定されてから一年が過ぎ、具体性のある取り組みが求められる時期が来ているのです。

 
>一般撮影領域における被ばく線量測定の実習の様子

さらに最新の研究課題として、眼の水晶体被ばくについての関心が高まっています。その背景に、2011年に国際放射線防護委員会(ICRP)が白内障のしきい線量、等価線量限度を大幅に引き下げたこと、2014年に国際原子力機関(IAEA)が国際基本安全基準(BSS)にICRP勧告を取り入れたことがあります。そして2017年4月、厚生労働省から「放射線業務における眼の水晶体の被ばくに係る放射線障害防止対策について」が通知されました。これらを受けて医療現場では、水晶体被ばくに対する、より一層の被ばく低減対策、教育・訓練、線量管理の実施が求められています。
この現状を踏まえ、当研究班では「水晶体被ばく」をテーマに、線量限度の動向、医療現場での不均等被ばく管理の現状と対策について学び、今後の水晶体被ばくの取り組みについて議論する場を設けました。既に水晶体被ばく低減に向けて対策を講じた施設、これから取り組んで行こうと考えている施設の方など、たくさんの皆様の参加をお待ちしています。 最新の情報は、東京支部のWebをご確認ください。

プログラム :「水晶体被ばくの最新動向とこれからの管理を考える」(仮)
日時 :2017年8月25日(金) 19:00~20:30 (18:30 受付開始)   
会場 :日本大学病院 5階 大会議室(JR御茶ノ水駅 御茶ノ水橋出口より徒歩3分)
    〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台 1-6

 
>DRLs2015に連携したCT検査における被ばく線量測定実習の様子

今後、新しい技術によって優れた性能を有する装置が開発されたとしても、それが放射線を利用している限り、我々は放射線の量をしっかりと計測し、防護し、管理しなければなりません。国民が安心して放射線診療を受けることができるように、「管理・防護・計測」という三つの柱に基づいて、プロフェッショナルとして任務を遂行することが求められているのです。当研究班は今後もセミナーやフォーラム等を舞台として、さらに発展的に活動していきたいと考えています。

班長 星野 豊

 

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